オペラ「道化師」の時代のサーカス団
- corodellavialattea
- 3月16日
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オペラ「道化師」の舞台となったイタリア南部の村、モンタルト・ウッフーゴ(カラブリア州)には巡業の小さな旅芸人・道化芝居が来ていました。当時の「サーカス団」の実態は、現在の様な大サーカスではなく、人数は5〜10人程度、馬やろばで移動、町の広場や修道院の中庭で公演していました。 演目はオペラ「道化師」の2幕にもある道化芝居(Commedia)、パントマイム、軽いアクロバット、手品、即興喜劇などがありました。
役割としては・団長+マネージャー、・看板スターの女優、・喜劇担当の道化役、・恋人役の若手、・ヴァイオリンやギターを弾く学士という設定でした。オペラ「道化師」のカニオ・ネッダ・トニオ・ペッペという設定はかなりリアルですね。 彼らは午後に村に到着して夕方に宣伝、夜に公演という流れて巡業を行っていました。宣伝方法としては団長や道化役が村を歩いて太鼓、ベル、大声を出して宣伝していました。「道化師」の冒頭でカニオがやる宣伝はまさにこの巡業スタイルですね。
オペラ「道化師」のネッダについては、実在の女性がモデルになった可能性があると言われています。 はっきりとした記録は少なく、半分実話・半分創作ではと考えられています。
ネッダのモデルになった女性は1865年にモンタルト・ウッフーゴに来ていた巡業劇団に若くて美しい女優(歌い手)がいたそうです。当時の巡業団では団長の妻と看板女優が同一人物のことが多かったため、ネッダ=団長の妻という設定が作られたと考えられています。
ネッダは自由を求める女性として描かれ、有名なアリア”Stridono lassù"では「鳥が自由に飛ぶ」「私も自由になりたい」という気持ちを歌います。これは旅芸人の女性の不安定な人生を象徴しているとも言われています。当時の旅芸人女性の現実は社会的地位は低い、村人から噂されやすい、嫉妬の対象になるという立場でした。 ネッダの設定はかなりリアルですね。一方でカニオのアリア”Vesti la Giubba"はどんなに辛くても衣裳をつけて芝居を続けろという歌です。自由を求めるネッダとの対比が描かれています。
道化役は体に特徴のある人が演じることが多い場合がありました。劇中のトニオも同様です。中世〜19世紀のヨーロッパでは・背中が曲がっている、・身体が小さい、・体型が独特、というような人が道化役を演じることがよくありました。その理由としては見た目が目立つ、コミカルに見える、観客が覚えやすいなどがありました。現代では考えられない理由ですね。
少しサーカス団とはどんなものか知ることができたのではと思います。
オペラ「道化師」をどうぞお楽しみに!!

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